慈眼寺 四季のお便り 6月
~ 雨は命の水 ~

暑い日が続いていますね。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。東北もまもなく梅雨を迎えようとしています。
さて、梅雨時期に吹く風は「黒南風(くろはえ)」、中頃は「荒南風(あらはえ)」、梅雨が終わると「白南風(しろはえ)」と、季節によって風の呼び名も変わります。長雨が続くどんよりとした空を色で表現するならばまさに黒。それに対し、梅雨明けの青く澄んだ空を吹き渡る風は白く光っているようです。自然に寄り添い生きてきた先人の感性の豊かさに驚かされます。

さて、大阿闍梨には梅雨時期になると必ず、思い出すことがあります。 それは千日回峰行を行じ、五年が過ぎた頃のこと。すさまじい猛暑で山はからっからに乾いていました。暑さに体力を奪われ、汗が滝のように流れ落ちました。水を飲むことが出来るたった二本の川も水量が少なくなり、ちろちろと流れている程度。ためらいなく、ふもとの神社の掃除用のドラム缶の錆びくさい水を飲み、来る日も来る日も苦しい行を続けたのです。
梅雨時期は鬱陶しいとよく申しますが、雨は恵みをもたらす命の水であり、雨が花や木々を潤していく様もまた、感謝の風景ではないでしょうか。

今月の塩沼大阿闍梨の一言

人に運命というものがあるならば、苦難を乗り越えて、人間として成長するための人生にぶれが生じないよう、信念を持って淡々と歩んでいくことなのかもしれません。「なぜ自分がこんな思いをしなければならないんだ」という嘆きもすべて受けとめて、呑み込んで、日々の生活を刻む。

すると、心の中に少しずつ変化がもたらされます。

それが、修行のいちばん最初の入り口なのかも知れません。

慈眼寺では当面の間、皆様の安全と、一日も早い新型コロナウイルス感染症終息を願い、護摩祈祷を中止することと致しました。皆様には大変ご迷惑をおかけ致しますが、ご理解の程、よろしくお願い致します。 尚、参拝者無しでの護摩祈祷は修法しておりますので、特別祈祷、護摩木は随時受け付けております。 通常の護摩祈祷再開につきましては、また改めて慈眼寺HPにてご案内をさせて頂きます。 四季のお便りは、護摩祈祷中止の間、第一、第二、第三金曜日と月に三回、公開をさせていただきます。